ジャズダンスやバレエで大切な伸び続けるイメージ
ジャズダンスやバレエで大切な伸び続けるイメージ
今回はちょっと細かいところの話になります。
上手なダンサーを見たときに、手からでるエネルギーや空間にエネルギーを感じたことはありませんか？それはきっと、そのダンサーが発するオーラや意識なのだと思います。
いろんなダンサーを見てきましたが、上手な人がみんなやっていることがあります。伸び続けるイメージです。私は「伸び続けるイメージ」と言っていますが、他の先生たちはこれはきっといろんな言葉を使って説明していると思います。私は「伸び続けるイメージ」の他に「手がもっと長いイメージで」や「手の先から遠くまでビームが出ているかんじ」という表現をすることもあります。
私はバレエを習っているときから、この「伸び続けるイメージ」をやっていますが、先生に何と言われてこれを理解したのかわからないのです。でも気付いたらやっていて、自分の振り付けを踊ってもらう機会があったときに、自分がやってほしいことを伝えるときに「伸び続けるイメージで」というふうに説明したのが、最初に頭で認識したときです。
バレエでは当たり前にみんなやっていることなのですが、ジャズダンスのスローなナンバーやリリカルなナンバー、セクシーなナンバー、シアタージャズなどでも活かせることなので、是非マスターしてほしいです。特に壮大なナンバーには必要不可欠です。見え方が全然違います。次に例をあげて説明していきます。
立ってるだけのときも伸び続けてるイメージ
立ってるとき、ポーズで止まってるときが一番ダンスの上手さがわかるというくらい、上手な人と下手な人の差が出ます。立ってるだけのときやポーズで止まってるときは休憩じゃないんです。それもダンスの一部だし、表現の一部です。止まってるように見えて、内側のエネルギーは動いているのです。
上の写真の黄色の矢印は意識を持つ方向を指しています。このポーズの場合はどこに伸び続けるイメージを持てばよいかを説明します。
まず、アームスは両手とも上に伸び続けるイメージです。ただし、肩まで上がってしまわないようにします。肩は落としてそこから先は上に伸び続けるイメージです。頭、首も上に伸び続けるイメージ。見えないですが、背中も上に伸び続けるイメージです。お腹も引き上げます。
足ですが、両足の間から前に、そして外側に螺旋を描きながら上に引き上げます。その流れでお尻も締めて引き上げます。足の裏は床の方に突き刺さすイメージ、下に引っ張るイメージです。このとき、頭を上に引っ張るイメージと足裏が床を超えて引っ張るイメージがお互いに引き合っている感じです。
ただ立つというだけでも、これだけたくさんの意識をしているのです。立っているだけで、ジワジワと汗をかいていきます。
パッセのポーズの場合
次にこのポーズの場合を説明します。頭は上に伸び続けるイメージ、伸ばしてる手もその延長線上に伸び続けるイメージを持ちます。このとき、胸は右ナナメ下に意識を持っているので、胸と伸ばしてる手が引っ張り合うイメージです。
右足のパッセは腿を上に引き上げ、軸足の左足は内側から前に、前から外側に螺旋をかきながら上に引き上げるイメージです。足の裏は床を超えて下にエネルギーを向けます。このときも、頭を上に引っ張るイメージと足の裏が床を超えて引っ張るイメージとがお互いに引き合う関係になります。
この引き合うイメージがバランスを保つことに繋がります。矢印は書いてないですが、背中もお腹も上に引き上げます。
アラベスクポーズの場合
ここまでのポーズができる人はかなりプロレベルですが、無料で使える写真の中から選んでいるので、これで解説させてもらいます。
まず頭ですが、顔が上向きなのでこれは胸を上に引き上げ、上に伸び続けるイメージです。お腹も同じように上に引き上げます。両手と上げている足はその延長線上に伸び続けるイメージです。このときこっちにだけ引っ張ると後ろに倒れてしまいますよね。なので、お腹を引き上げたまま斜め下に向けても引っ張るイメージが必要になります。この引き合うイメージによってバランスがとれます。
軸足は床に突き刺すイメージです。このとき、胸を上に引き上げ伸び続けるイメージと、軸足の床に突き刺すイメージが引き合ってバランスをとっています。
なぜこのような伸び続けるイメージを持つのか
これは写真では分かりにくいですが、見た目が大きく違います。伸び続けるイメージで意識している場合はダンサーの周りの空気感というか、その人のオーラというか世界が広がっているように感じます。空間にエネルギーがあるような感じです。華やかさも出ます。
しかし、伸び続けるイメージがなく止まっている場合は、小さく見えますし、エネルギーも小さく、地味に見えます。内側の自分の意識であったり、エネルギーを向ける方向だったり、基本的には目に見えないものをイメージするわけですが、これをやると全然違うのです。見たらすぐにわかります。
伸び続けるイメージを持って踊っているダンサーの方が、目を惹き、華やかで存在感があります。伸び続けるイメージを持つことで、雰囲気がガラリと変わるので、是非意識してみてください。
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